春が始まる、春を始める
しばらくツイッターにログインすることをやめて、そうするとなるほど時間がたくさんできて──SNS疲れ、とか検索すると出てくるやつを見ていると、まあとにかくログインするなとか、いっそアカウントを消してしまえとかいうそれで、別にツイッターに疲れたつもりもないんだけど──、だったら手に入れたその時間で大好きな地図でも年がら年じゅう眺めていればいいものを、そんなこともせず余った時間で本とか斜めに読んでただだらだら過ごしている。
冬だからどうしても閉鎖的になる面倒くさがりの寒がりは、外に出たがらず、でもなぜか僕のことを好んでやたらと誘ってくる人とスキーに三度も行った。僕はもうスキーをやめたのだ。それは精神的鍛錬。
何があったわけでもなく、ただみずからレンガで壁を作り始め、止まらなくなって毎日それを高く積み上げていく。もう、やめにしないと、春が来る。
驚くほど強くて大量の雨が降り、それから嵐のような風が吹いた。気温が上がって四月下旬か五月のようだといった。
積み上がったレンガに上ってそっと頭だけだし、目で覗きこむように世間を見ることくらい始めてもいい、そうやって言い聞かせる。
手始めに、買ってきた。
少しでも、動き出す。世間に出て、ふつうにしていられるようになっておく。いやでもそうしなきゃならない日が、来るだろうから。
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