三国峠-これって、さんごくとうげ? みくにとうげ?

 まず場所を特定しないといけない。なぜなら全国各所にこの名の峠があるからだ。似たようなもので山伏峠なんかもそう。ありがちな名前だ。

 今回書いているのは、山梨県と神奈川県との県境、県道730号線にある三国峠。この読み方がわからなかった。



 別に、困ることはなかった。

 書くときは、さも知っているふうな顔で三国峠とふりがなも振らずに書いてしまえば誰も問題にしないし、話すときは、都合のいいことに同じ道路上にもうひとつの峠、明神峠があるからだ。「いよいよ、明神を静岡側から上ったよ」そういえばいいのだ。わざわざ三国峠の名を挙げる必要もないし、明神・三国を上ったなどといったら形式張り過ぎている。



 静岡側から出かけると、なんともきつい坂だ。

 だから僕は出かける前に情報収集を続けた。上った人のページやブログを見て回った。

 すると、丁寧に「さんごくとうげ」とふりがなを振っているページがあった。記述のなかで、「みくにとうげだと思っていたら、さんごくとうげって読むのですね」という文脈のページも見つけた。おかげで僕は混乱する羽目になった。


 三国峠が越えている山が三国山という名で、これを「みくにやま」と読むことはわかっていた。山と渓谷社の書籍で見たし(さすがにここなら大丈夫でしょう)、先日足柄峠を走ったときに目にした、トレッキングルートの地図にもローマ字表記でMikuniyamaと書かれていた。

「みくにやま」に「さんごくとうげ」──果たして、「さんごくとうげ」という読みはどこから来たのか。正しいなら、裏付けが欲しい。

 ウィキペディアには、「みくにとうげ」と記されている。


 図書館で本を借りてきた、富士山一周絶景自転車マップという本には「さんごくとうげ」と書かれていた。

 混乱よりももはや、きちんと知るほうがいいなと、この段になって思った。



 県道管理者がいいだろうか。それってどこだ?

 道路は県道山中湖小山線、山梨県の山中湖と静岡県の駿河小山を結ぶ道だけど、三国峠は山梨と神奈川の県境、少なくとも静岡県は関係ない。山梨か神奈川か──。

 まあ山梨だよな。

 山梨県の道路管理課に問い合わせた。



「みくにとうげ、と読みます」

 そこでも確証が得られなかったのか、山中湖村役場に確認してくれたそう。初めからそちらに聞くべきだったか……。大変お手数かけました。


 これですっきり。「みょうじん、みくに」と大手を振っていおう。

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